『継往開来』 ~持続可能な全若を目指して〜
全国若手議員の会が創立30年という節目の年を迎えた昨年度は、これまで多くの先輩方が築いてこられた本会の理念や取り組み、そして若手議員の会への想いについて、30周年記念事業を通して触れることができた貴重な1年であったのではないでしょうか。今日まで大変な労力と努力で全若を築いてこられたご労苦に対し、心より敬意と感謝を申し上げます。
さて、元日に発生した「令和6年能登半島地震」によって被災し、犠牲になられた全ての御霊に哀悼の誠を捧げるとともに、被害に見舞われ、厳しい生活を余儀なくされておられる皆様に、衷心よりお見舞いを申し上げます。
全国で毎年のように発生している豪雨災害をはじめ、頻発する自然災害に対し、国や地方自治体は住民の生命と財産を守るために防災・減災対策に取り組まなくてはなりません。
また、人口減少や高齢化が今後より一層進むことから、公共施設の再編やDX化の推進など、行財政改革はもはや待ったなしの状況です。
さらに、政府は30年以上にわたって男女共同参画社会の実現に向け、様々な施策を推進してきましたが、世界から見た日本のジェンダーギャップ指数は、148カ国中118位とG7の中で未だに最下位のままです。
加えて、物価の高騰や急速な円安、そして働き手の不足による企業活動への影響など、コロナ禍からの回復傾向とは言え、我が国の社会経済を取り巻く環境は厳しい見通しであるにも関わらず、依然として日本の有権者、特に若年層の政治への関心は、「若者の政治離れ」と言われるほど低く、若者の政治に対する関心の低さが問題視されています。
このような社会情勢の中、今年度は次の40周年に向けて最初の1歩を踏み出す重要な 1年となります。言うまでもなく、全若の存在意義は、自ら学び、同世代の仲間たちと切磋琢磨しながら、ともに成長をしていく環境を提供することであり、我々の世代にしかできないことに取り組んでいくことです。
もちろん、それはその機会に参加することがなければ、その効果を感じることはありません。また、全若は45歳で卒業というルールがあるため、参加できる時間は限られています。
「やるか、やらないか」という2択しかないならば、まずはやってみることです。考えることよりも行動してみましょう。すべてはその第1歩から始まります。
人は、変化を求め、新しいことに挑戦し、見聞を広げ、経験を積み、キャパシティが大きくなることで成長していきます。
「万事研修」の姿勢をもち、謙虚な心であらゆる活動に積極的に挑戦しましょう。
自分たちのまちの未来、そして国の未来を見据え、全若を活用して多くの知識を学び、全国の仲間と交流を深めながら連携し、実践していきましょう。
そのような魅力ある人たちが集結した組織であれば、自然と羨望の眼差しが向けられ、仲間はおのずと増えていき、どのような困難な状況に陥っても、持続可能な発展ができる全若であり続けることができるでしょう。
そのような全若を目指し、本会並びに各ブロックの発展に全力で邁進して参りますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
部会は今年度4部会を設置し、それぞれ全国研修会と合わせて実施します。部会の運営については、部会長を中心として定期的に部会を開催し、研修会等の準備を進めます。また、今年度も研修は基本的にオンライン(ZOOM)との併用で開催し、参加機会の拡大に取り組みます。
(1)組織拡大・交流部会
本会は45歳で卒業するルールがあるため、常に新しいメンバーの獲得をし続ける必要があります。そのため、本会の活動にご賛同いただける仲間を積極的に勧誘し、新たな会員を増やすことが、活気あふれる持続可能な組織の構築につながることから、「会員の拡大」にむけて本会メンバーの意識の醸成を促すとともに、全国のメンバーが交流を深め、情報の共有や意見交換を通して、本会のさらなる発展につながるような研修を企画します。
(2)政策調査部会
人口減少や少子高齢化の社会が到来し、社会情勢が大きく変化する中で、国や自治体がこれまでに築いてきた様々な社会インフラ等の維持が困難になってきています。また、次々に生じてくる行政課題に対し、情報を常に更新し、時には議会活動をとおして理事者に質していくことが重要です。そのために、全国各地で先進的な政策や取り組みを行っている自治体について調査・研究し、本会メンバーがそれぞれの地元で取り組みを促していけるような研修を企画します。
(3)災害対策部会
本年元日に発生した「令和6年能登半島地震」は、東日本大震災の発災から10年以上が経過していく中で薄れつつあった人々の防災意識を高めました。国や自治体は南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などの震災をはじめ、豪雨災害や土砂災害、火山噴火など、予想される自然災害に備え、住民の生命や財産を守る責務に応えなければなりません。そこで、防災や減災対策、発災後の対応、復興の足跡について調査し、情報を共有してそれぞれの自治体で活用ができるよう研修を企画します。
(4)議会改革部会
全国の地方議会では、身近な政治の舞台へ関心を持っていただくだけでなく、住民とともにまちづくりに参画する開かれた議会をめざして様々な取り組みが行われています。その中で、近年増えつつある女性議員をめぐる議会の環境については改善が進められていますが、ハラスメント対策への取り組み、議員活動と家庭生活との両立など、女性の政治参画の拡大に向けた方策についてはまだまだ課題が山積しています。あえて、「女性」議員と性別をつけることなく、性別やジェンダーに関わらず全ての議員が活動しやすい議会の実現に向けて、どのように議会改革に取り組むべきかを学ぶ研修を企画します。
【基本方針】
(1) 全国研修会について
全国研修会は今年度4回、部会と合同で開催します。
内容については部会及び各ブロックと連携を図りながら決定していきます。
現段階で今年度は10月、1月、4月、7月を予定しています。
なお、8月は全国総会に合わせて四国ブロックが担当します。
(2) 役員会について
今年度の役員会も全国研修に合わせて実施します。また、オンライン(ZOOM)を使用し、必要に応じて開催します。
(3)OB 会について
OB会との共同研修の開催については、OB会と協議の上決定します。
(4)情報発信について
今年度はHPやSNS媒体を活用して積極的に情報発信を行いますので、各ブロックでは
事務局長を中心に研修等の情報や研修中の写真等の提供にご協力をお願いします。
(5)費用負担について
研修の参加を促すため、研修の参加費は必要最小限に止め、会員の年会費で最大限に意義のある運営に取り組みます。
(6)デジタル化について
従来から課題であった「手帳」の電子化や連絡方法の見直しに向けて調査・研究を行うため、会長の諮問機関として検討委員会を設置します。
(7)ZENWAKA CARAVANについて
若者の政治への無関心や低投票率の改善を目指し、若手議員の私たちにしかできない取り組として、政治へのハードルを下げ、議員を身近に感じてもらい、政治へ参画するきっかけを作るために、開催を希望するブロックで現地の若者と若手議員との参加型のトークライブ(意見交換)を行います。